千里馬

ト ルコマン種(Turkmene)とは、古代ペルシャを起源とし、トルクメニスタンなどを原産地とする馬の品種で、現在は、ほぼ絶滅している。アハル・テケ 種、ヤムド種などはトルコマン種の子孫である。トルコマン種は耐久力が強く、餌や水をさほど大量に摂取しない。外見は優雅で、体が細いものの、脚の筋肉は しっかりとしている。体高は1.5~1.6メートル。トルコマン種の毛色は、青毛、鹿毛、栗毛などさまざまだが、メタリックな光沢がある。光沢の輝きは個 体ごとに異なるが、砂漠における保護色の役割を果たしているとみられる。

走ると血の汗を流すという汗血馬の伝説は、トルコマン種の毛色の光沢に由来していると思われる。栗毛のトルコマン種に激しい直射日光が当たると、光沢によって赤に近い色が現れる。これが血の汗をイメージさせたようだ。

現 在、トルクメニスタンで育成されている馬は、かつてのトルコマン種の特徴をかなり継承していることから、本来の種類とは異なるものの「トルコマン種」の名 称が受け継がれている。アラブ種とトルコマン種は、どちらも同じオリエンタル・プロトタイプを祖先としている。そのためアラブ種とトルコマン種は、速さや スタミナが優れている点で共通するが、それぞれの環境適応能力は異なる。トルコマン種の子孫であるアハル・テケ種は、アラブ種よりも身高が高い。トルコマ ン種は長旅に利用されることが多く(1日4000マイル走ったという伝説もある)、長距離を速足で駆けたことから、身高がアラブ種よりも高くなったという 説もある。

アラブ種とトルコマン種の交配が過去どの程度行われてきたのかについては研究段階であるが、どちらもオリエンタル・プロトタイ プを源流とするこの2つの種が、ある程度掛け合わされてきた可能性は高いと見ていいだろう。17世紀には、バグダッドのカリフ(イスラム国家の指導者)が 宮殿内でトルコマン種の優秀な種牡馬を育成し、アラブ種の牝馬と交配させようとしたという記録がある。アラブ種のうちMuniq’Iと呼ばれる系統の馬 は、このときの交配によって生まれた可能性がある。

英国のサラブレッドも、トルコマン種の影響を深く受けている可能性がある。とくにその 影響を色濃く受けていると思われるのが、17世紀末から18世紀初頭にかけて英国の軍馬であったバイアリータークである。この馬は当時、一部の英国人がト ルコから国内に持ち込んだ汗血馬との交配によって生まれたものだ。種馬となった汗血馬は当初、「アラブ種の最高品種」と思われていたが、後にクリミア戦争 によってトルコから得た戦利品だったことが明らかになった。これによって、この汗血馬はトルコマン種であることが判明したのである。

トルクメニスタンはかつてロシア帝国の一部であったことから、アハル・テケ種をさまざまな馬と交配させることができた。

今日、アハル・テケ種はオリンピックの馬場馬術などに用いられている。

 








 
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